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さんまのすり身汁

(すりみじる)

三陸の秋を味わう、海の幸あふれる郷土料理

岩手県大船渡市に伝わる「さんまのすり身汁」は、新鮮なさんまのすり身を大きな団子状にして煮込んだ、素朴ながらも奥深い味わいの郷土料理です。新鮮なさんまのすり身に調味料をたっぷり混ぜ合わせ、その味と旨みが汁に染み出て絶品のすり身汁ができあがります。

後から味付けをしないので、野菜とさんま本来の甘みや旨み、香りをダイレクトに楽しめる浜の料理です。

ポイントは、新鮮なさんまを使い、すり鉢でよくすり身にすること、そしてすり身をよく煮出すことです。さんまの他にもイワシやカツオなど、さまざまな魚で作ることができます。薬味に麹なんばんを入れると生臭さが消え、辛みも加わってさらに美味しくなります。

主な伝承地域:三陸沿岸地域
主な使用食材:さんま、大根、にんじん、豆腐、ねぎ、卵、味噌、しょうゆ

歴史と由来

岩手県は、古くから豊かな漁場として知られてきました。特に、さんまの海面漁業の漁獲量は本州一を誇ります。以前はすり身はイワシで作り、さんまは塩焼きや塩炊きにして食べていました。しかし、60年ほど前からさんまの漁獲量が増え、さんまをすり身にして汁物として食べるようになりました。しかし近年は水揚げ量が減少傾向にあります。

「さんまのすり身汁」は新鮮なさんまのすり身を団子にして入れた汁物料理で、すり身に練り込んだ調味料とさんまの旨味が汁に溶け込んだ素朴な味わいが特徴です。三陸沿岸部では、さんまが出回る時期の定番家庭料理として広く愛されています。

作り方

おろしたさんまをすり鉢ですり、味噌、卵、塩、しょうゆ、酒で味付けします。沸騰させた鍋ですり身を団子状にして煮た後、大根、にんじん、ねぎ、豆腐を入れて柔らかくなるまで煮ます。味付けは味噌の場合と、しょうゆの場合があります。仕上げに麹なんばんを加えると、生臭さを消し、ピリッとした辛味が加わってさらに美味しくなります。

Information

名称
さんまのすり身汁
(すりみじる)

大船渡・釜石

岩手県