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いちご煮(岩手県)

(いちごに いわてけん)

ウニとアワビを使った磯の香りたっぷりの贅沢な逸品

「いちご煮」は、三陸海岸の郷土料理で、ウニとアワビを使った潮汁です。アワビの淡いブルーを帯びた乳白色の汁の中に黄金色のウニが浮かぶ様子が「朝霧の中に霞む野いちご」のように見えることから、この名前が付けられたと言われています。

この料理は磯の香りが豊かで、贅沢な具材が楽しめるため、地元では晴れの日や正月に欠かせない逸品となっています。新鮮なウニの濃厚な甘みと、アワビのコリコリとした食感、そして磯の香りが三位一体となった贅沢な味わいです。一口食べれば、海の恵みを存分に堪能することができます。

吸い物としてはもちろん、雑煮やいちご煮の汁で炊いたご飯に具を混ぜ合わせた炊き込みご飯や茶碗蒸しなどにアレンジしても美味しいです。

ウニとアワビの贅沢共演

ウニとアワビの吸い物という贅沢な料理は、昔、漁師たちが浜で捕ったウニやアワビを豪快に煮たのが始まりと言われています。大正時代には料亭の料理として美しく盛り付けられ、供されるようになりました。

名前の由来は、アワビなどのエキスで乳白色に濁った汁に浮かぶ黄金色のウニが、朝露にかすむ野いちごのように見えたことから来ています。この風流で洒落た名前が人気を博し、現在では結婚式などの祝い事に欠かせない料理として受け継がれています。

新鮮なウニとアワビを水かカツオ節のだしでさっと煮て、少量の醬油で味を整え、青じその千切りをのせるだけのシンプルな料理です。舌の上でとろけるウニ、コリッとした食感のアワビ、深みのある潮の香りに青じそのアクセントが加わった逸品です。

旬は7月ごろ

ウニは7月ごろが旬で、「青じその出る頃にウニが美味しくなる」と言われています。この料理は、地元ではお盆や正月、祝い事などに必ず作られるハレの日の吸い物として親しまれています。シンプルな料理だけに素材の質と鮮度が重要で、特に良質なウニが獲れる地元ならではの味を楽しむために、わざわざ足を運ぶ人も多いです。

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名称
いちご煮(岩手県)
(いちごに いわてけん)

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