ウニとアワビの贅沢共演
ウニとアワビの吸い物という贅沢な料理は、昔、漁師たちが浜で捕ったウニやアワビを豪快に煮たのが始まりと言われています。大正時代には料亭の料理として美しく盛り付けられ、供されるようになりました。
名前の由来は、アワビなどのエキスで乳白色に濁った汁に浮かぶ黄金色のウニが、朝露にかすむ野いちごのように見えたことから来ています。この風流で洒落た名前が人気を博し、現在では結婚式などの祝い事に欠かせない料理として受け継がれています。
新鮮なウニとアワビを水かカツオ節のだしでさっと煮て、少量の醬油で味を整え、青じその千切りをのせるだけのシンプルな料理です。舌の上でとろけるウニ、コリッとした食感のアワビ、深みのある潮の香りに青じそのアクセントが加わった逸品です。
旬は7月ごろ
ウニは7月ごろが旬で、「青じその出る頃にウニが美味しくなる」と言われています。この料理は、地元ではお盆や正月、祝い事などに必ず作られるハレの日の吸い物として親しまれています。シンプルな料理だけに素材の質と鮮度が重要で、特に良質なウニが獲れる地元ならではの味を楽しむために、わざわざ足を運ぶ人も多いです。