希少価値の高いブランド牛
日本短角種は、「南部牛追い唄」にも歌われるように役畜として利用されていた在来種の南部牛をルーツとし、明治以降に輸入されたショートホーン種を掛け合わせて作られた肉牛専用種です。昭和32年には日本固有の肉専用品種として認定されました。
岩手県は日本短角種の生産量が日本一で、年間約1500頭の仔牛が生産され、そのうち1300頭余りが県内で飼育されています。自然交配で生産され、放牧されることで、繊維質が引き締まり旨みの多い赤身肉が特徴です。
全国農業協同組合連合会を権利者として地域団体商標に登録され、いわて牛普及推進委員会により普及・広報が行われています。
牧草と野草で育った健康な牛
岩手県内における日本短角種の飼育は季節放牧を特徴としており、晩冬に畜舎で生まれた仔牛は最初の2〜3か月を畜舎で過ごしたのち、親牛とともに放牧地へ放されます。これを「山あげ」と称し、冬になると畜舎へ戻されて肥育されます。これを「夏山冬里」方式と呼びます。
「いわて短角和牛」の商標を用いるものは成長剤・ホルモン剤を一切使用せずに、自然の牧草や粗飼料で育てられます。また、牛が草やササを食べることで稚樹の生育を助け、ブナ林やスギ林の天然更新を支えるなど、地域の林業と連携して生産されています。