世界遺産をめぐる平泉の名所
中尊寺(ちゅうそんじ)
世界遺産「平泉の文化遺産」の中心的な寺院で、850年に慈覚大師円仁によって開かれ、奥州藤原氏によって繁栄しました。特に有名なのが、金色堂。内部には藤原清衡のミイラ化した遺体が安置され、平安仏教美術の粋が凝縮されています。
表参道の月見坂を登りながら、樹齢数百年の杉並木の中で歴史の重みを体感できます。
毛越寺(もうつうじ)
かつては中尊寺を凌ぐ規模を誇った浄土庭園の名刹。現在でも美しい池泉回遊式庭園が広がり、極楽浄土の世界を表現しています。平安時代の浄土思想に基づいた庭園設計は、国の特別史跡・特別名勝の二重指定を受けています。
無量光院跡(むりょうこういんあと)
宇治の平等院鳳凰堂を模して造営されたと言われる壮大な寺院跡。建物は現存しませんが、史跡公園として整備され、池と平坦な地形から当時の規模を想像できます。静寂に包まれた空間が魅力です。
達谷窟毘沙門堂(たっこくのいわやびしゃもんどう)
岩壁に抱かれるように建つお堂は、坂上田村麻呂が蝦夷征伐の戦勝を祈って建立したと伝わります。断崖に建つ朱塗りの堂宇が印象的で、訪れる者を圧倒します。磨崖仏や奥の院も見どころです。
---一関市内と周辺の自然・名所スポット
厳美渓(げんびけい)
磐井川の浸食によって生まれた、ダイナミックな渓谷美が魅力。特に春の新緑や秋の紅葉時期には訪れる観光客で賑わいます。遊歩道が整備されており、奇岩や清流を間近に眺めながら散策が楽しめます。
空飛ぶ団子「郭公だんご」
厳美渓で有名な体験のひとつ。対岸の茶屋からロープを伝って団子が籠に乗って飛んでくるユニークな仕掛けは、一度は体験しておきたい話題の名物です。
猊鼻渓(げいびけい)
一関市東山町にある、全長2kmにわたる大峡谷。舟下りが名物で、船頭が櫂(かい)でゆっくりと漕ぐ和舟に乗って、四季折々の渓谷美を楽しめます。特に、春の桜・秋の紅葉は絶景です。
途中、舟上で船頭さんが披露する「舟歌」も情緒たっぷりです。
栗駒山(くりこまやま)
宮城・岩手・秋田の三県にまたがる名山で、一関市からアクセスも可能です。秋の紅葉は「神の絨毯」と称されるほど美しいと人気で、登山客にもおすすめのスポットです。
---文化・体験施設
一関市博物館
平泉文化や磐井の歴史に関する貴重な資料を展示。藤原清衡に関する展示も充実しており、平泉の背景知識を深めたい方にはおすすめです。
世嬉の一酒造(せきのいち)
大正時代から続く老舗酒造。蔵見学や日本酒の試飲も可能で、地ビールや地元食材を使ったレストランも併設されています。歴史ある建物の佇まいも見どころの一つです。