岩手県遠野市は、民話のふるさととして知られる地域です。そんな遠野には、古くから地域の人々に愛されてきた甘味のひとつに「けいらん」があります。椀の中にこしあんが詰まったもちが入っており、その形が鶏の卵に似ていることからこの名前がついたと言われています。
地域では、ちょっと小腹が空いたときに食べるおやつを「こびる(小昼)」と呼び、けいらんもその代表的なメニューのひとつです。
遠野市内には、伝統行事や生活を体験できる施設「伝承園」や、大正12年の創業から作り続けているという「鶴乃屋菓子店」など、さまざまな店でそれぞれ異なる味わいのけいらんを楽しむことができます。地域ならではの風味を堪能できる、特別な甘味です。